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投資信託

やばい?やめたほうがいい?不調にあえぐ「ひふみ投信」「ひふみプラス」の時代は終わった?

ひふみ投信」や証券会社で購入できるバージョンである「ひふみプラス」が日本の投信として一時代を築いたことは疑いの余地はありません。

実際、運用開始からみると日経平均を大きくアウトーパフォームしており素晴らしい成績を残しています。

 

青:ひふみ投信
赤:日経平均

運用開始以来のひふみ投信と日経平均の株価の比較

運用開始以来のひふみ投信と日経平均の株価の比較

 

しかし、直近の成績をみると景色がだいぶ変わってきます。2018年以降は残念ながら日経平均すら下回る成績となってしまっています。

 

青:ひふみ投信
赤:日経平均

2018年以降のひふみ投信と日経平均のリターンの比較

2018年以降のひふみ投信と日経平均のリターンの比較

 

明らかに成績としては2017年末から不調に陥っています。2021年の4Qから4四半期連続でマイナスとなりました。

今回は「ひふみ投信」がどのようなファンドか振り返った後に不調に陥っている原因について紐解いていきます。

 

その上で昔の「ひふみ投信」のような投資を行うファンドについてもお伝えしていきたいと思います。

日経平均が続伸する環境でも、筆者が他の選択肢を模索する理由も合わせてお話しできればと思います。

 

「ひふみ投信」の特徴

まずは「ひふみ投信」の特徴について振り返っていきたいと思います。

運用は独立系の運用会社である「レオスキャピタルワークス」が担う

基本的に投資信託と呼ばれる金融商品は野村證券アセットマネジメントや日興アセットマネジメントのように金融機関のグループ会社が行なっています。

しかし、「ひふみ投信」の運用を担うレオスキャピタルは金融機関の関係会社ではない独立系の運用会社となっています。

 

社名 レオス・キャピタルワークス株式会社
Rheos Capital Works Inc.
設立年 2003年4月16日
本社所在地 〒100-6227
東京都千代田区丸の内1-11-1
パシフィックセンチュリープレイス(PCP)丸の内27F
資本金 100百万円
代表取締役社長
代表取締役副社長
藤野英人
湯浅 光裕
事業内容 投資運用業
投資助言・代理業
第二種金融商品取引業
経営理念 「資本市場を通じて社会に貢献します」

 

よって、「ひふみ投信」は独立系の投資信託とも呼ばれています。

 

ファンドマネージャーは中小型成長株投資に強い藤野英人氏

藤野英人氏

藤野英人氏

 

ファンドマネージャーは藤野英人氏です。

藤野英人氏は野村アセットマネジメント、JPモルガン・アセット・マネジメント、ゴールドマンサックスアセットマネジメントを経験して2003年にレオスキャピタルワークスを創業。大学卒業後一貫して金融畑を歩んできています。

 

主な経歴は中小型の成長株投資。この得意な投資手法が今回の記事で重要な要素となってきます

投資啓蒙活動も積極的に行っており、以下の本を執筆しています。非常に過激なタイトルになっていますね。

 

藤野氏が執筆した本

  • 投資レジェンドが教えるヤバイ会社
  • 投資バカの思考法
  • 投資家がお金とり大切にしていること
  • 儲かる会社、潰れる会社の法則
  • 日経平均を捨てて、この日本株を買いなさい

 

最後の本は現在日経平均に負けた成績なので、ちょっと滑稽になってしまいますが・・・。

また、公的な活動としては以下があります。

 

藤野氏の活動

  • JPXアカデミーフェロー
  • 東京理科大学上席特任教授
  • 早稲田大学政治経済学部非常勤講師
  • 一般社団法人投資信託協会理事

 

一時はファンドマネージャーとしての職を離れていましたが、現在は運用の低迷をうけてファンドマネージャーに舞い戻っています。

藤野英人氏は「ひふみ投信」のファンドマネージャーに復帰

レオスキャピタルHP

 

ただ、残念ながらファンドマネージャーに復帰後もリターンは改善していません。

 

「ひふみプラス」「ひふみ年金」「ひふみらいと」「ひふみワールド」とは?

ひふみ投信はシリーズとして3つの「ひふみ」が用意されています。

ひふみプラス 証券会社で購入することができる「ひふみ投信」。マザーファンドが同じであるため、リターンも「ひふみ投信」と同じ。
ひふみ年金 確定拠出年金向けに組成された。マザーファンドが同じであるため、リターンも「ひふみ投信」と同じ。
ひふみらいと 株式10%に対して債券90%で運用されている安全重視型のファンド。投資対象は世界の株式と債券。レオスキャピタルワークスの直販。
ひふみワールド 世界の株式に分散投資をするファンド。レオスキャピタルワークスの直販。

 

その他にも最近「まるごとひふみシリーズ」というものを販売しています。このシリーズは証券会社で購入可能です。

まるごとひふみ15 ひふみ投信マザーファンド 9%
ひふみワールドのマザーファンド6%
ひふみグローバル債券マザーファンド85%
まるごとひふみ50 ひふみ投信マザーファンド 30%
ひふみワールドのマザーファンド20%
ひふみグローバル債券マザーファンド50%
まるごとひふみ100 ひふみ投信マザーファンド 60%
ひふみワールドのマザーファンド40%

 

まるごとひふみシリーズはまとめると以下のようになります。

 

まるごとひふみシリーズ

まるごとひふみシリーズ

 

 

【本題】ひふみ投信が不調に陥っている原因とは?

では本題に移っていきたいと思います。

ひふみ投信側の的外れな下落の説明

ひふみ投信は調子の悪い理由について年始に以下の説明を行なっています。

ひふみ投信が不調な理由

ひふみ投信が不調な理由

 

年初から19日という短い期間で東証株価指数が▲3.64%となっている中で「ひふみ投信」が▲9.07%となっていることについての言い訳が述べられています。

簡単に纏めると以下となります。

 

理由① 東証株価指数は大型銘柄が多いが「ひふみ投信」は中小型の新興株を多く組み入れている。
新興株が多いマザーズ指数は年初から▲18%下落しているので「ひふみ投信」も影響を受けた。
理由② 米国の金融政策の転換によって世界的に新興成長株が売られているので、新興成長株を多く組み入れている「ひふみ投信」に痛手となった

 

要は新興成長株に多く投資していたから下落を被ったとしています。

上記の言い訳は、小型成長株に投資をしている眼力などの投信では妥当です。実際、急落しています。

 

釈明文の後半で昨年から割安株への投資を増加させてきたと述べているので上記の言い訳は自己矛盾が孕んでいます。

そもそも大型株が全体の88%を占めている時点で、新興の成長株が多く組み入れられているというのは苦しい言い訳です。

 

プライム市場 88.42%
スタンダード市場 1.87%
グロース市場 0.70%
その他海外株 6.85%
現金等 2.16%

参照:月報

 

たしかに米国の金融政策の転換によって今まで下落していたグロース株が下落し、その流れが世界に波及したというのは本当です。

しかし、グロース株の組み入れ比率が特段高くない「ひふみ投信」においてTOPIXや日経平均よりも低いリターンとなる理由にはなりません。

 

そもそもグロース株が壊滅的な下落をしたリーマンショック時の「ひふみ投信」はプラスリターンとなっていたわけですから。

運用開始当時と現在の「ひふみ投信」は名前は同じですが、全く違う投資信託となってしまったと見るのが妥当です。

 

最近は少し基準価額が回復していても、指数をアンダーパフォームしている事実は変わりません。

では「ひふみ投信」がなぜここまで劣化してしまったのか?

という本質的な理由について解説していきたいと思います。

 

コラム:なぜ金融政策が転換すると成長株(=グロース株)が下落するのか?

先ほどさらっと流しましたが気になった方のために詳しく説明します。興味のない方はこの項目は読み飛ばしてください。

グロース株は将来の利益の成長を期待して株価が値付けされます。企業の価値は現在保有している純資産に将来の事業価値を足し合わせて算出されます。

 

そして、将来の事業価値を現在の価値に直す時に割り引くという計算を行います。

現在の100万円と10年後の100万円の価値は違いますからね。将来の100万円を現在の価値に割り引く際には金利が非常に重要な構成要素となってきます。

 

グロース株の企業価値の算出方法

グロース株の企業価値の算出方法

 

2020年からグロース株が勢いよく上昇したのは米国の中央銀行であるFRBが金融緩和を行なったからです。

金融緩和を行うと金利が下落します。金利が下落すると将来の事業利益の現在の価値は増加します。

例えば長期金利を割引率にしようするとすると、長期金利が1%と5%と10%の場合で、10年後の100万円の事業利益の現在価値は以下の通りとなります。

 

金利1% 金利5% 金利10%
10年後の100万円の現在価値 91万円 61万円 39万円

 

つまり金融緩和が行われると将来の事業価値の大きいグロース株は大きく上昇することになります。

2020年から2021年に米国はとてつもない金融緩和を行いました。

そして政府も給付金をばら撒きました。結果として強烈なインフレが発生しました。

 

2022年はこの強烈なインフレを抑えるために米国政府は金利を引き上げて景気を覚ますことに躍起になっています。

つまり金融引き締めを実行しているのです。結果として金利が上昇しグロース株が大暴落となっているのです。

 

ちなみにここまで書いていて更に「ひふみ投信」の言い訳の矛盾点に気づきました。

仮に成長株に投資をしていたとするなら2020年から2021年は市場を大きくアウトパフォームしていないといけません。

しかし2021年から2022年の「ひふみ投信」と日経平均のリターンの比較は以下となります。

2020年から2022年のひふみ投信と日経平均の比較

2020年から2022年のひふみ投信日経平均の比較

 

指数をアンダーパフォームしています。そもそも成長株投資など行なっていなかったということが実証された形になります。

直近1年の短期でも、少しは指数に勝っている局面はあるだろうと期待しましたが、ありませんでした。

 

直近1年のひふみ投信や日経平均

直近1年のひふみ投信日経平均

 

本当の主因は藤野英人氏の「カンブリア宮殿」出演後の純資産の急騰

それでは「ひふみ投信」が不調となっている本当の理由についてお伝えしていきたいと思います。

当時圧倒的なリターンで注目を集めていた藤野英人氏は2017年2月16日にカンブリア宮殿に出演しました。

番組の題は「間違いだらけの"日本の投資"に変革を― 成長企業を見抜くカリスマが明かす投資術!」でした。

 

藤野英人氏の出演したカンブリア宮殿

 

衰退してきているとはいえ、特に高齢者を中心にまだまだテレビは存在感があります。更に日本の資産の大部分を占めるのは高齢者です。

彼らがテレビをみて「ひふみ投信」に殺到しました。

結果的に以下のように純資産が急騰しました。大衆が飛びついた時が最後とはよく言ったものです。靴磨き少年の話はあまりにも有名です。

運用資産が急増した「ひふみ投信」

 

丁度運用成績が悪くなったのは2017年の後半に入ってからで、時期がピタリと重なります。

では、なぜ運用資産残高が増加することでリターンが悪くなったのでしょうか?ファンドマネジャーの腕が突然落ちたのでしょうか?

次の項目で詳しく解説していきます。

 

得意な中小型成長株投資ができなくなった

ファンドマネージャーの藤野英人氏の経歴の項目でお伝えしたとおり彼が得意とするのは中小型成長株投資です。運用開始から最も調子のよかった頃の「ひふみ投信」は中小型成長株投資で大きなリターンをあげていました。

 

しかし、2017年末以降明らかに超小型並びに中小型株の比率が減少し大型株の比率が急激に上昇しています。

 

ひふみ投信の銘柄構成の変化

ひふみ投信の銘柄構成の変化

 

※時価総額300億円未満を超小型株、時価総額300億円~3,000億円未満を中小型株、時価総額3,000億円以上を大型株と定義。

 

この推移をみていると殆どリターンをだしていたのは超小型株であることが推察されます。

日本は上場している銘柄数が異常に多いので規模の小さい超小型株は時に市場から放置され、異常なレベルの割安水準で取引されていることがあります。

それらの銘柄を狙い撃ちして最初のうちは大きなリターンをあげていたのでしょう。

 

しかし、申し込みが殺到したことで魅力的な超小型株だけで運用することが不可能となりました。

そこで2017年の後半から大型株の投資比率がぐんぐんと上昇しています。

2012年時点では40%近くを占めていた利益の源泉である超小型株はなりを潜め、現在では数%の比率でしか組み入れられていません。

いくら超小型株投資が巧みであったとしても組入比率数%では全体のリターンを引き上げることができないのです。

 

現在2024年2末時点での組み入れ銘柄は以下の通りとなっています。全て大型株となっています。聞いたことある銘柄ばかりですね。

生成AIバブルで盛り上がっているNVIDIAや、世界最大の時価総額を誇るMicrosoftといった海外大型株も組み入れているのが特徴的ですね。

ひふみ投信の構成上位銘柄

ひふみ投信の構成上位銘柄

 

以下は過去のポートフォリオの遷移です。銘柄の値上がりと値下がりにより上位銘柄が入れ替わっていることが想定されます。

ただ、今回トヨタ自動車が一気に全体の4.86%まで比率を増やしてトップに躍り出ています。

 

2024年2月末 2023年12月末 2023年9月末 2023年6月末 2023年3月末 2022年11月末 2022年8月末 2022年3月末
1 トヨタ自動車 村田製作所 楽天銀行 東京エレクトロン アドバンテスト 東京海上ホールディング ソニーグループ ソニーグループ
2 M&A総研ホールディングス M&A総研ホールディングス 東京エレクトロン 楽天銀行(大型株) ソニーグループ GMOペイメントゲートウェイ 東京海上ホールディング オリエンタルランド
3 NVIDIA 三菱重工 三菱UFJフィナンシャル 東京海上ホールディング ディスコ 日本電信電話 オリエンタルランド 東京海上ホールディング
4 村田製作所 MICROSOFT CORPORATION ソニーグループ ソニーグループ(大型株) NTT 三菱UFJフィナンシャル 味の素 三菱UFJ
5 三越伊勢丹 NTT 日本電信電話 三菱UFJフィナンシャル 東京海上ホールディング 味の素 川崎汽船 INPEX
6 MICROSOFT CORPORATION TOWA 三井住友フィナンシャルグループ 日本電信電話 インターネットイニシアティブ インターネットイニシアティブ 東京エレクトロン NTT
7 ニトリホールディングス 三菱商事 インターネットイニシアティブ インターネットイニシアティブ GMOペイメントゲートウェイ 伊藤忠商事 IHI マイクロソフト
8 ダイキン工業 GMOペイメントゲートウェイ トヨタ自動車 第一生命ホールディングス 味の素 アドバンテスト インターネットイニシアチブ 住友貴金属
9 味の素 任天堂 MICROSOFT CORPORATION GMOペイメントゲートウェイ 三菱UFJフィナンシャル ディスコ 日立製作所 トヨタ自動車
10 GMOペイメント 日立製作所 メルカリ SMC 伊藤忠商事 MICROSOFT 日揮 三菱商事

 

ただ、一貫して大型銘柄で占められていますね。これでは日経平均を大きく上回るリターンは見込めません。

指数を上回ろうと勝負をしていないのですから当たり前です。

 

構成銘柄が多すぎて日経平均株価と同様の動きになっている

投資の世界で「卵を一つの籠にもるな」と頻繁に謳われます。

卵を一つの籠にもってると落とすと全てが台無しになるので複数の籠に入れなさいということから転じて分散投資の必要性を説いています。

 

たしかに分散投資は重要ですが、分散させすぎると指数と変わらない動きとなってしまいます。

現在、ひふみ投信の組入銘柄数は307銘柄となっています。もうすぐS&P500と並ぶ500銘柄に到達しそうですね。

ひふみ投信マザーファンドの状況
純資産総額 7827億円
組み入れ銘柄数 307銘柄

 

日経平均は別名日経225といわれています。つまり225銘柄で構成された指数なのです。

つまり、ひふみ投信は日経平均よりも銘柄を分散させているファンドということになるのです。

ここまで分散させると指数に対する超過リターン(=アクティブリターン)を出すことは難しくなってきます。

実際、最初にもお伝えした通り殆ど日経平均と同様の値動きになってしまっています。劣後していますが・・・

 

青:ひふみ投信
赤:日経平均

2018年以降のひふみ投信と日経平均のリターンの比較

 

既に「ひふみ投信」はアクティブリターンを目指すファンドとは言えなくなってきているのです。

 

ひふみプラスとS&P500指数の値動きを比較

ひふみプラスはマイクロソフトなどの海外株にも投資しているので海外の株価指数とも比較してみましょう。

以下は代表的な株価指数である米国のS&P500指数との比較です。

 

青:ひふみプラス
赤:S&P500指数
緑:S&P500指数(円建)

ひふみプラスとS&P500指数とS&P500指数(円建)の比較

ひふみプラスS&P500指数S&P500指数(円建)の比較

 

圧倒的に劣後していることが分かりますね。

ただ、今後は日銀の政策変更により円高に振れる可能性が高まっていますし、米国株も景気後退で下落する確度が高まってきています。

ここから敢えて米国株式インデックスに投資をするのはリスクが高いと言わざるを得ません。

 

ファンドの規模が大きくなると普遍的にこのような事象が発生する

ファンドの規模が大きくなったことでリターンが悪化したのはひふみ投信に限ったことではありません。

同じような運用スタイルで高いリターンを出し名声を高めたジェイリバイブも規模が大きくなってからリターンが悪化しています。

 

運用開始以来でみるとジェイリバイブは「ひふみ投信」すら凌駕する成績を叩き出しています。

緑:ジェイリバイブ
青:ひふみ投信
赤:日経平均株価

ジェイリバイブとひふみ投信と日経平均の比較

ジェイリバイブとひふみ投信と日経平均の比較

 

ただ同じく2019年からのリターンでみると違った景色となります。

ジェイリバイブは日経平均に大きく劣後し、ひふみ投信と同等のリターンとなってしまっているのです。

2019年以来のジェイリバイブとひふみ投信と日経平均株価のリターンの比較

2019年以来のジェイリバイブとひふみ投信と日経平均株価のリターンの比較

 

このように超小型株と中小型株投資で名乗りを上げたファンドは最終的に運用資産額が増えて本来の運用ができなくなるという末路をたどる運命にあるのです。

 

好調だった頃の「ひふみ投信」に投資する方法とは?

「ひふみ投信」や「ジェイリバイブ」の例から分かる通り日本株の超小型株投資には妙味があります。

それは日本の上場企業数の多さに起因しています。日本には3500社以上の上場企業が存在しています。

日本の上場企業数

 

一方、時価総額が7倍もある米国株式市場の上場企業数は5000社となっています。日本は時価総額の割に上場している会社が多いのです。

トヨタ自動車やソニーのような大型銘柄は証券会社のアナリストが分析するので理論価格と近いところで取引されます。

 

しかし、時価総額が300億円に満たないような超小型株ではアナリストの目が行き届きません。

また機関投資家も取引しないので明らかに適正な価格からかけ離れて割安に放置されている銘柄が存在するのです。

そのような銘柄を狙い撃ちすることでファンドとして高いリターンを期待することができます。

 

このような投資方針をメインとして行なっている、まだそこまで規模が大きくないファンドに投資することができれば、栄光を手にしていた過去の「ひふみ投信」にタイムリープして投資をすることと同様の投資を行うことができるのです。

そのようなファンドとして筆者も実際に投資しているのがBMキャピタルです。

 

BMキャピタルファンドの運用規模は150億円程度です。現在のひふみ投信が7000億円であることと比べるとだいぶ小さいですね。

ただ、2010年時点の「ひふみ投信」もまさに運用資産規模は100億円程度だったのです。

BMキャピタルは運用開始が2012年ですが、開始から一貫して超小型株投資を実践しております。

実績も十分で過去10年間一度も下落することなく年率10%以上のリターンを叩き出しています。

 

ファンドマネジャーは東大卒の一流証券会社・バークレイズで経験を積んだ鬼才です。筆者自身、東大時代から同氏のことは知っていますが、学生時代ですでに事業で実績を挙げた有名人でした。その事業経験が、現在のバリュー投資×アクティビスト活動の礎となっていることは容易に想像できます。

BMキャピタルはそんなポートフォリオマネジャーを中心に、日本株で利益をあげる王道ともいえる超小型株投資という王道を実践しつづけ結果を出し続けているファンドなのです。

 

公募投信であれば既に人気を博し数千億規模となっていますが、私募ファンドとして運用しているため規模としては100億円に抑えられています。むしろ私募ファンド(=ヘッジファンド)で日本でここまでの規模になっているのは最大規模といえます。

以下でBMキャピタルについては詳しくお伝えしていますので参考にしてみてください。

 

bmキャピタル

 

BMキャピタルの詳細

 

 

「ひふみ投信」や「ひふみプラス」の今後の見通しは暗い?

では重要なひふみ投信の今後についてみていきたいと思います。

ひふみ投信は今までみてきた通り、現在ではほぼ日経平均に連動するような状況となっています。

そのため、日経平均に今後を考えることで「ひふみ投信」の今後を占うことができるようになります。

 

日経平均は以下のとおり円建のS&P500指数に連動するリターンとなっています。

つまり、S&P500指数とドル円の今後を考えればよいことになります。もはや通貨を揃えると先進国の株価は同じ動きをする時代になったのです。

グローバル化が進展してきた証ですね。

日経平均と円建てのS&P500指数はほぼ連動

日経平均と円建てのS&P500指数はほぼ連動

 

今までS&P500指数はパンデミック後のバブル相場によって大きく押し上げられてきました。

しかし、2021年末から発生したインフレを抑えるために2022年から金利を引き上げ2024年3月現在でも5%を超える政策金利が維持されています。

高インフレと高金利によって間も無くリセッション(景気後退)に陥る確度が高くなってきました。

 

雇用の先行指標は既に暴落

 

景気後退となると企業の業績が傾くので当然株価は大きく下落していきます。

商業用不動産の価格の崩壊も大きな下落の要因になる状況になってきています。火種がくすぶっている状態なのです。

 

さらにドル円も米国が景気後退になると円高方向に下落します。今までドル円は日米金利差の拡大にともなって上昇してきました。

ドル円は日米金利差に連動

ドル円は日米金利差に連動

 

インフレにより米国が政策金利を引き上げる反面、日本はゼロ金利を維持したため金利差が拡大していったのです。

しかし、米国が景気後退とおなれば米金利が低下して日米金利差は縮小していきます。そうなるとドル円も下落していきます。

 

景気後退になるとS&P500指数もドル円も下落していくので、当然日経平均もひふみ投信も下落していくことになります。

このように株価指数に連動するファンドなどは今後は大きなリスクと捉えたほうがよいでしょう。

市場環境に依拠せず安定したリターンを見込める選択肢を考えていきましょう。

 

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掲示板やTwitterでの「ひふみ投信」「ひふみプラス」の口コミや評判

以下は「ひふみ投信」や「ひふみプラス」に対する生の声です。直近の低迷から厳しい声が多くなっています。

 

Twitterでの痛烈な批判

Twitterの口コミ①

ひ○みの月次の熱心な読者だったけど、丸3年間TOPIXに圧倒的に負けてる人たちの相場観や市場予測や銘柄分析を読んで何かの学びがあるかというとほぼ何もない。逆神としても使えないし。 この時間を一社でも多く有報を読むとか、シーゲル/グレアム本を読むのに向けた方がよほど有意義。

@24万株

 

渚さんのツイートは「26RT」で「573いいね」とプチバズりしています。

Twitterの口コミ②

非常に迷っていることがありまして… ひふみ投信を解約するかどうか… 投資額39万に対して含み益2万
しかも5年よ? 評価損益率は7.1%で、同時期から積み立てNISAは37% 含み益があるうちに解約してクロスに回すなり、ジュニアNISAに移そうか… にしても5年も預けて利益1万6千円とは

@nagisa11510

 

この方のリプライに私と同じ冷静な分析をして解約している方もいらっしゃいました。むしろ、当ブログを読んでくださったのではないかと思ったりします。

 

Twitterの口コミ③

売りました カンブリア後に大型株ファンドに変わってしまったのでかつての中小小型株ファンドではなくなってしまい成長企業への投資ができなくなりました 売りました

@ethan0120

 

更に以下のような痛烈な批判が100RT以上されていました。

 

Twitterの口コミ④

単にひふみファンドのパフォーマンスが終わってて誰も見てないからなだけだぞ

ひふみ投信の言い訳

@Makoto_Mura

 

5年に及ぶ低迷にかなり不満が溜まっていることが伺えます。更に単純に投資手法が間違っているという痛烈な指摘もなされています。筆者も成長株投資を行っているのでわかりますが、成長株は下落したら損切りするのが鉄則です。

塩漬けしていたら素人投資家と同じですからね。

 

Twitterの口コミ⑤

ひふみ投信さん、オリエンタルとか川崎汽船とか盛り上がる途中で買込むのはいいけど、下落局面でもガチホするのはなぜ?自分の理解が及んでないだけかもしれないが、オリエンタルは1、2月に増やして、川崎は5月から組入上位に登場。しかも前者は未だにガチホ中。川崎、来月もガチホなら草も生えん

@天神ベロリーム

Twitterの口コミ⑥

ひふみ投信って一時期めちゃくちゃ持ち上げられてたけどカバさんは一寸法師でクソ損失だしてからやってる事は変わらないし今はただ単に大型買ってる糞投信化してるしパフォーマンスゴミクズだしなぁ

@花粉

Twitterの口コミ⑦

定点観測 日銀のアレにつきあって今月は↓でした。 投資信託が22.76%→7.15%に激減してるのは、ひふみ投信を全解約した影響でえす 実弾多め、急落上等。 来るなら来いや、後ろは見せんw

@株六

 

掲示板でも悪い評判が多い

人気掲示板の5chでも同様の批判がなされています。

 

5chの口コミ①

ひふみだのセゾンだの、発足当時はいい投信だったよ。周りには、買って3%、評価損がかさんで解約して3%の手数料のぼったくり投信ばかりだったからね。
だけど、今は状況が変わった。これからも同じ運営をするとしたら、よくわからない素人から、お金を巻き上げるだけですよ。

ひふみは、それでいいと思っているのかな?

5chの口コミ②

規模が大きくなりすぎて、調子が良かったときの戦い方が続けられなくなった

5chの口コミ③

こんなに分散してるのに、TOPIXに惨敗するって
才能がないと無理だろ。藤野さんすごい。
例えるなら、まずいカレーを作るスキルがある。

 

まとめ

今回のポイントをまとめると以下となります。

  • ひふみ投信は超小型株投資を中心に高いリターンを上げてきた
  • カンブリア宮殿出演をきっかけに出資が殺到
  •  結果、本来強みをもつ超小型株投資だけでは運用できなくなった
  •  銘柄数も分散させすぎており指数と同じ動きになってしまっている
  •  同じく中小型株投資で名を馳せたジェイリバイブも近年は同じ結果に
  •  2000年代から2010年代前半の全盛期の「ひふみ投信」のようなファンドに投資するのが合理的
  •  筆者が投資しているBMキャピタルはまさに2010年代前半の「ひふみ投信」を体現している

 

長年運用をして酸いも甘いも経験してきた筆者が、2023年現時点で堅実な投資先として考えられる先を以下でまとめていますので参考にしてみてください。

結び

堅実な資産運用

 

 

長期的に資産を形成し老後の安定資産を築くために必要なことは、ただ一つです。

それは、どのような市場環境であっても資産を守り「堅実なリターンを複利で積み上げる」ことです。しかし、多くの人は派手なリターンを謳う運用先に虜になり、資産を増やすどころか失ってしまうのです。

残念ながら、この状況は変わりません。歴史は繰り返すのです。いつの時代も「無知はコスト」です。

 

憂鬱

 

資産運用の極意は「プラスのリターンを複利で積み重ねること」であり富裕層に到達するにはこの方法しかありません。

上記を実現するための投資先(ファンド)を選ぶポイントは、非常にシンプルです。以下は大枠ですが、これを外さなければ大きく失敗することもありません。

  1. 相場環境に左右されない明確で確固たる投資理論・哲学を有する
  2. 過去に成果を出し続けているファンドマネージャーによる運用

 

世の中にはあまりにも間違った情報が溢れていると日々感じていました。
そして今回、筆者の証券アナリストとしての知見や、マーケットに関する仕事に従事した経験を基に様々なファンドを分析してきました。

その結果(堅実運用の思考とおすすめと言える投資先)をまとめました。ぜひ参考にしてくださいませ。

 

 

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