ヘッジファンドに興味のある方であれば、「ヘッジファンドダイレクト」という名前を聞いた方は多いのではないでしょうか?
私も東京でタクシーにのるとよくヘッジファンドダイレクトのCMが流れているのをよくみます。
直球でお金の話をしている内容です。
今回はこのバブリーな会社「ヘッジファンドダイレクト」がどのようなファンドなのかを紐解いていきたいと思います。
Contents
ヘッジファンドダイレクトの会社概要
まずはヘッジファンドダイレクトの会社概要についてお伝えしていきます。
商号 | ヘッジファンドダイレクト株式会社 |
本社所在地 | 〒100-0004 東京都千代田区大手町1-5-1 大手町ファーストスクエア ウエストタワー 18F |
代表取締役社長 | 高岡壮一郎 |
事業概要 | ヘッジファンド投資助言業 |
自分年金サポート事業 |
ヘッジファンド証券と同じく、ヘッジファンド運用を行っているわけではなく「仲介」している業者ということです。
つまり代理店ですね。ヘッジファンドを販売することに特化しています。
高岡壮一郎氏の経歴は以下の通りとなっています。
1999年東京大学卒業後、三井物産株式会社に入社、海外投資審査、情報産業部門における新規事業立ち上げやM&A に従事。2005年、あゆみトラストグループ(旧アブラハムグループ)を起業、ヘッジファンドダイレクト株式会社等のグループ各社の代表取締役社長に就任し、フィンテック領域にて富裕層向け金融事業・メディア事業を行う。同グループ子会社として証券会社を香港に設立する等、グローバル金融に関する豊富な知見を有すると共に「金融×IT」のフィンテック領域にて18年の経験を有する。スタンフォード大学 経営大学院エグゼクティブプログラム修了(2019)。
参考情報:ヘッジファンドダイレクト
東京大学から三井物産を経てアブラハムグループを立ち上げたという経歴になっています。
アブラハムといえば「いつかはゆかし」で金融庁から業務停止命令を受けた過去のある会社です。高岡氏の攻めすぎた姿勢が伺えます
当時の日経新聞の記事は以下となります。
金融庁は投資助言大手のアブラハム・プライベートバンク(PB、東京・港)に6カ月以内の業務停止命令を出す方向で最終調整に入った。証券取引等監視委員会が3日、無登録で金融商品を販売していたなどと正式に行政処分を勧告。反論していたアブラハムも同日夜、監視委の勧告を受け入れる方針を公表した。
参照:日経新聞
具体的な違反内容は以下となっています。
無登録販売 | 金融商品販売業者の登録をせず、海外の運用会社から事実上の販売手数料を受け取ってファンド販売 |
誇大広告 | 実際に投資助言していない金融商品の平均利回りを他の商品と比較し、自社サービスの優位性を示す |
個別顧客への 利益提供 |
1人の顧客に助言料約940万円を免除 |
要するに「アブラハム」が箱として傷がついたので、新しくヘッジファンドダイレクトと名前を変えて舵を切ったということですね。
もちろん、現在は金融庁からも業務改善済との評価を得ています。
一方のBMキャピタルは自身がヘッジファンドです。仲介ではありません。
BMキャピタルについて詳しくは以下で解説していますのでご覧いただければと思います。
名称 | ビーエムキャピタル合同会社 |
英名 | BM CAPITAL LLC |
所在地 | 〒106-0032 東京都港区六本木7-18-1 |
電話番号 | 03-3403-2508 |
事業目的 | 金融商品取引法に基づく有価証券及びデリバティブ取引 |
各種事業への投資 | |
有価証券の自己募集 | |
経営コンサルティング業務 |
運用手法とリターンの比較
それでは肝心の運用手法とリターンの比較を行なっていきたいと思います。
ヘッジファンドダイレクトが取り扱うヘッジファンド
ではヘッジファンドダイレクトが、どのようなヘッジファンドを取り扱っているかみていきましょう。
平均リターン | 運用年数 | 運用戦略 | |
A | 17.7% | 13年10ヶ月 | グローバルマクロ |
B | 10.7% | 21年3ヶ月 | トレンドフォロー |
C | 5.7% | 22年4ヶ月 | ファンド・オブ・ファンズ |
ファンドAの運用リターンは素晴らしいですね。
ただ、これらは紹介されるヘッジファンドのうち一部の上澄みであることを考える必要があります。実際にHPに以下の記述があります。
上記ファンドは当社の投資助言対象ファンドの一例です。10万本のデータベースから独自アルゴリズムに基づき、お客様に最適なファンドを提案しています。
参照:ヘッジファンドダイレクト
あくまで紹介した中から良いリターンのものを列挙しているだけという可能性があるのです。
実際にヘッジファンドには最低出資金額などの敷居があり、必ずしもHPに記載されているファンドに投資できるとは限らないのです。
そして、上記のファンドも卓越したリターンを実現しているAですが弱点があります。
それはボラティリティの高さです。株価が下落する時もあり、その時の下落率は結構高いのです。
以下がファンドAのリターンですが頻繁に30%-40%の下落を経験しており危なっかしい動きとなっています。
毎度なんとか戻ってきているのでいいのですが、グローバルマクロファンドは読みを外すと大きく下落します。
今後、連続して外すと大きく下落して資産を失ってしまう可能性も十分留意した方がよいでしょう。
BMキャピタルのリターンと運用手法
一方、BMキャピタルはファンドBと同等の平均リターンを叩き出しています。手数料抜きであればファンドAと同等のリターンを叩き出しています。
しかも、年度ベースで一度も下落することなく安定したリターンを叩き出し続けています。
これは絶対的に割安なバリュー株投資にアクティビスト戦略を組み合わせているからこそ可能な実績なのです。
投資手法については以下で詳しくお伝えしていますので参考にしていただければと思います。
何を紹介されるかわからないヘッジファンドダイレクトより、
確実に安定して下落耐性の高いファンドに投資できるBMキャピタルを筆者は選んだ大きな理由です。
ヘッジファンドダイレクトにかかる手数料
ヘッジファンドダイレクトにかかる費用は以下の通りとなります。
購入にかかる費用 | 購入手数料3.3%(税込) 行政書士費用 15,000円〜 海外送金手数料 約5,000円 |
管理報酬 | 年率2%程度 2年目以降の投資助言料0.99%(税込) 3年未満にファンド変更する場合の手数料3.3%(税込) |
成功報酬手数料 | 運用成果に対して20%-40% ハイウォーターマーク形式 |
解約手数料 | 保有1年未満 3.3%(税込) 保有2年未満 2.2%(税込) 保有3年未満 1.1%(税込) 海外送金手数料 約5000円 |
購入手数料、管理報酬、成功報酬手数料のほかに、早期解約した場合のペナルティ的な手数料が存在することが分かります。
運用に満足いかなかった場合に即座に解約すると、更に痛手を被るということになりますね。
口コミと評判の比較
では口コミや評判についても比較していきましょう。
ヘッジファンドダイレクトの評判と口コミ
ではヘッジファンドダイレクトの評判と口コミをTwitterから拾っていきましょう。
Twitterの口コミ①
タクシーで「ヘッジファンドダイレクト」なるサービスの広告が出てきた。少し調べてみると元々「いつかはゆかし」のアブラハムが前身とのこと
Twitterの口コミ①
ヘッジファンドダイレクトさんが使っている図すげー恣意性を感じる。日本株の指標をTopixにしていたり、金のリターンとリスクの関係しかりいやこれツッコミどころ万歳過ぎるだろうに。でもこれでもう既に1000億近く集めているらしいが…大丈夫なのかしら…
宣伝の悪評などが目立ちます。。
BMキャピタルの評判と口コミ
BMキャピタルもみていきましょう。
Twitterの口コミ①
日本にもヘッジファンドはあって、BMキャピタルなんかは有名どころ。 2013年から運用開始で、チャイナショック、コロナショックも乗り切って2020年もプラス‥過去マイナス0回。さっきHPなんとなく見てたら、会社の信条に「損失を出さない事」って書いてあった‥やっぱり守りなんですね(・_・;
Twitterの口コミ①
ヘッジファンドへ預けての運用ってどうなんやろ? 国内ではBMキャピタルがやたら持ち上げられてる上に運用成績も抜群・・・ローリスクハイリターンなんてあるのだろうか?
Twitterの口コミ①
さっきヘッジファンドBMキャピタルと面談してきた。 3年前に1回して以来2回目。成績ずっといいし投資することに。 怪しんだ過去の自分に後悔・・
成績がよかったという声もきかれますね。
→ 気になるBMキャピタルの評判や口コミを実際の投資家目線で紐解く!
まとめ
ヘッジファンドダイレクトは行政処分をうけたアブラハムを前身とするヘッジファンドの仲介会社です。
紹介するファンドはリターンも高いものもありますが、あくまで10万以上の中から選んだもので本当にHPにあるファンドが紹介されるかは疑問です。
また、紹介されているファンドもボラティリティが高く大きく下落するリスクは考えておいた方がよいでしょう。